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はじめに

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Enterprise Architect のメリット

Enterprise ArchitectはUML 2.5, SysML 1.5, BPMN 2.0など、様々な表記方法に対応したモデリングツールです。 効率的なモデリングを実現する数多くの支援機能を有しており、設計内容の影響関係の把握(トレーサビリティ)を支援する機能・ドキュメント生成機能・シミュレーション機能・アドインの作成機能などがあります。 これらの機能を組み合わせることで、開発フロー全般を包括的に支援します。

Enterprise Architect

Enterprise Architectは、同種のソフトウェアと比較しても、以下の点が優れています。

  • データベースが統合された真のモデリングツール
  • 論理要素を多角的な視点で捉える統合環境を提供
  • 要件定義、設計、実装、検証と包括的なワークフローで使用可能
  • 設計のみならず実装でも活用可能な有用な機能を多数完備
  • 小規模設計から大規模設計までスケーリング可能
  • 高い拡張性を持つプラットフォーム
  • 優れたコストパフォーマンス
  • 知れば知るほど奥が深い = 幅広い有効利用可能な場面

Enterprise Architect 典型的な導入の障壁

Enterprise Architectは、広範囲に渡って適用可能な汎用性が魅力の統合モデリング環境です。 特にコスト面において導入の敷居が低く、初めてモデリングツールを使い始める方から、シミュレーション環境と組み合わせての統合的な利用を行なう方まで、長く幅広い範囲でお使い頂けます。

一方で、Enterprise Architectを最初に導入しようとしたときの障壁があるのも事実です。 導入障壁の例を以下に挙げます。

  • 少なくとも無償ではない
  • 機能が多くて訳が分からない
  • 身近に使っている人がおらず心細い
  • 無骨なユーザーインターフェースで親しみが湧かない
  • 使ってみたものの効果が実感できるまで使いこなせなかった経緯がある

これらはスパークスシステムズジャパン株式会社の中の人が公開している動画を見る事でかなり解消できます。 一方で、スパークスシステムズジャパン株式会社の中の人は業界数十年のベテランでツールに詳しすぎており、ユーザーの戸惑いを理解できない事もありそうです。

そこで、本ウェブサイトでは、Enterprise Architectを使い始めた人が最初に戸惑うであろう内容を、実際に使い始めてから感じた様々な疑問を整理する形で短い動画に纏める事にしました。 きっと皆様のお役に立てるはず。


本ウェブサイトの対象読者

  • Enterprise Architectを初めて使う組織や人
  • Enterprise Architectを現在導入しているものの、効果を実感できていない組織や人
  • Enterprise Architectを過去に使用したものの、効果を実感できなかった組織や人
  • Enterprise Architectの仲間を探している組織や人
  • UMLやSysMLなどを使った設計の整理に興味のある組織や人
  • 近年注目の集まるシステムズエンジニアリングなどの新しいアプローチに興味のある組織や人
  • コストパフォーマンスに優れたモデリングツールを探している組織や人
  • システムやハードウェアやソフトウェアの設計に新たな手法を取り入れたいと考える組織や人
  • 他社製ツールを使用しているがEnterprise Architectに興味のある組織や人
  • 個人的な研鑽や学習のためにEnterprise Architectを導入したいが迷いのある人
  • ドキュメントベースエンジニアリングに疑問を感じており、組織における開発のあり方や取り組みを変えたい方

プレイリスト


Enterprise Architect お役立ちテクニック集まとめ

番号 タイトル よくあるユーザーの疑問や戸惑い リンク
001 境界線に塗りつぶしを設定して視認性を向上 配置した要素を視覚的にグルーピングする事で分かりやすいダイアグラムにしたいです。 見る
002 プロジェクト作成後に何をしたら良いの? プロジェクトを開いて手が止まりました。次に何をしたら良いのか分かりません。 見る
003 画面レイアウトの復旧 モデリングに必要な部品が並んでいるユーザーインターフェース部品を閉じてしまいました。操作が出来ずに困っています。どうやったら元に戻せますか? 見る
004 用語集を活用して一貫性を確保する ツールを使っているのに設計が効率化されているように感じませんでした。何か具体的なメリットをひとつ例示して下さい。 見る
005 用語集をドキュメントに出力する ツールを使っているのに設計が効率化されているように感じませんでした。用語集のメリットを水平展開するアイデアも欲しいです。 見る
006 ダイアグラムの凡例 ダイアグラム内の要素が全部同じ色で分かりやすさに改善の余地がありそうです。どのようにしたら見やすい表示を簡単に実現できますか? 見る
007 コードを読み込んで分析する ツールを使っている具体的なメリットのひとつとして、既存実装の分析にも使えたらとても便利です。コードを読み込んでモデル化するような機能はありますか? 見る
008 ダイアグラムの印刷設定 ダイアグラムを印刷したら1つのダイアグラムが何ページにも渡って分割印刷されてしまい、使いものになりませんでした。どうしたら良いですか? 見る
009 クラスに操作を追加する クラスに対して関数を追加する方法が分かりません。どうやったらクラスに関数を追加できますか? 見る
010 既定のダイアグラムを設定して利便性を高める 利用者がプロジェクトファイルを開いた時に、プロジェクトの全体像が一目で分かるような挙動を実現できたら素敵です。具体的にどうしたら良いですか? 見る
011 「使いづらい」印象はどこから来るのか?(その1) 要素を整列させたり大きさを整えたりする手順が面倒です。どのようにしたらこの手順を省略して使いづらさを改善できますか? 見る
012 「使いづらい」印象はどこから来るのか?(その2) モデリングツールの良さを理解は出来ましたが見た目が無骨で敷居の高さを感じます。お絵描きツールのような親しみの湧くユーザーインターフェースにできませんか? 見る
013 システムの表現に最適なSysML UMLでは表現しづらいシステム表現を効率的に行なう手法を知りたいです。 見る
014 SysMLでブロックを内部ブロック図に配置する時にポートがめちゃくちゃに配置されて困る ブロックの付属要素としてインターフェースブロックがポートとして配置されています。このブロックを内部ブロック図に配置した時にポートの配置が出鱈目で困ります。どうしたら良いですか? 見る
015 モデルベース設計への段階的移行 今の設計の仕方に幾分の疑問はあるものの、設計の仕方を大幅に変えるのはいまさら難しいと感じる事が多いです。何かお勧めの移行方法はありますか? 見る
016 スクリプトレットで手軽に自動化 単純な操作を膨大に繰り返し行わなければならない場面に遭遇する事があります。なんとかして自動化したいのですが手段はありませんか? 見る
017 画像を使ってダイアグラムの表現を豊かにしよう! モデリングしてもシステムに関する理解が深まったように思えません。理解を進めるためにできる工夫があれば教えて下さい。 見る
018 SysMLのポートを整列する グリッド設定をしても、SysMLのポートがグリッドにのりません。どのようにしたらSysMLのポートを手軽に整列させられるでしょうか・・・。 見る
019 効率的なモデリングツールの活用 モデリングツールを採用したものの、作業が増えただけでメリットを感じませんでした。何かアプローチを間違えているかもしれません。 見る
020 プロジェクト管理情報も統合しよう (ガントチャート編) このガントチャート機能って、どうやって使うのですか? 見る
021 プロジェクト管理情報も統合しよう (ドキュメント編) モデリングツールを導入した結果、単に使うツールが増えただけで、管理が大変になっている印象があります。何か間違ってしまいましたか? 見る
022 ツールを持っていない人にプロジェクトを見せたい 周りにEnterprise Architectを持っている人がおらず、自分の設計情報を見せる事ができません。どのようにしたら良いですか? 見る
023 要求の色付けと状態の定義 手始めに要求を整理しているのですが、プロジェクトの状態を俯瞰して見るような工夫があれば教えて下さい。 見る

Enterprise Architect お役立ちテクニック集 プレイリスト

ビデオ


001: 境界線に塗りつぶしを設定して視認性を向上

Enterprise Architectの境界表現は、設定を行なう事で特定の色で塗りつぶすことができます。 ダイアグラムの中で色表現を加える事で、視認性の高いダイアグラム表現を実現できます。


002: プロジェクト作成後に何をしたら良いの?

Enterprise Architectでプロジェクトを作成した後、画面が劇的に変化しないので戸惑う方もいるようです。 この動画では、プロジェクト作成後、手始めに何をすれば良いのかについて解説します。


003: 画面レイアウトの復旧

Enterprise Architectのユーザーインターフェース部品を誤って閉じてしまった場合、2度と復旧できないのではないかと不安になる事があります。 実際には、画面レイアウトを簡単に復旧する手段が提供されていますので、便利な機能を御紹介します。


004: 用語集を活用して一貫性を確保する

Enterprise Architectに備えられた用語集の機能を用いる事で、設計に使用する用語の定義を厳格にすることが可能になります。 モデリングツールでは、往々にして「どうしてこの機能があるのか分からない」といった事が最初に起こります。 用語集を用いる事で論理構成する時の定義の揺れを最小限に留め、効率的な設計を実現できるはずです。


005: 用語集をドキュメントに出力する

用語集は、モデリングツールであるEnterprise Architect内に留まるものではありません。 二次成果物としてWordのような文書に出力した場合にも、効果的に二次利用できる事から、この方法について解説する事にしました。


006: ダイアグラムの凡例

Enterprise Architectでモデルを実現した場合、その外観が同じような見た目をしていることから、見やすさを重視する人達にとっては効率的なものに感じられないことがあるようです。 この動画では、ダイアグラムの凡例の機能を用いて色分けした要素表示を行なう事の効果を御紹介します。


007: コードを読み込んで分析する

Enterprise Architectの優れた機能のひとつに既存コードを読み込んで要素にする機能があります。 設計情報が全くないような成果物に対して分析を行わなければならない場合に特に有効です。


008: ダイアグラムの印刷設定

Enterprise Architectでモデリングを実施した後、喜び勇んでダイアグラムの印刷を試みた時に最初に驚くのが出力結果です。 1つのダイアグラムにも関わらず数ページに分割されて印刷される事もありますが、この挙動は設定によって変更できます。 この動画では、印刷設定の方法とそのメリットについて解説します。


009: クラスに操作を追加する

Enterprise ArchitectでUMLクラス図にクラスを配置した後、クラスを定義したいときに戸惑う方もいるようです。 この動画では、クラスに操作を追加する方法について解説します。


010: 既定のダイアグラムを設定して利便性を高める

Enterprise Architectのプロジェクトを開いた時に、画面があまり変化しないので何が起きているのかユーザーには分かりづらいと頻繁に聞きます。 この動画では、規定のダイアグラムを設定する事でプロジェクトを開いた時に特定のダイアグラムを開く動作にする方法について解説します。 また、更に便利に御利用頂くためのヒントについても御紹介します。


011: 「使いづらい」印象はどこから来るのか?(その1)

Enterprise Architectは、デフォルトの挙動に由来する「使いづらい」と感じる要素があるように感じます。 このデフォルトの挙動は設定によって変える事ができ、それらの変更によって印象が大幅に改善されます。 この動画では、要素の配置や整列に関連するグリッド設定と大きさを揃える方法について解説します。


012: 「使いづらい」印象はどこから来るのか?(その2)

Enterprise Architectは、その筋の方々が使用するモデリングツールです。 従って、モダンでファンシーな見た目といったことは本質的ではないため、そこに重点は当然ながら置かれません。

しかし、利用者である我々は人間で、実際には見た目に影響された印象を得るものです。 この動画では、使いづらく感じる要因のひとつは無骨な見た目にあるのではないかとの仮説の下、見た目を変更することでどのようになるのかを実演を交えて御紹介します。


013: システムの表現に最適なSysML

SysMLを使用すると、システムのブロックとブロック間を流れるデータの表現が可能になります。 UMLでは表現しきれないこれらの内容は、ハードウェアとソフトウェア、あるいは、システムとソフトウェアといった観点で設計対象を見る人達にも有用です。 この動画では、SysMLを使い始める最初の一歩として、簡単なブロックの定義と、ブロック間の接続について実演を交えて解説します。


014: SysMLでブロックを内部ブロック図に配置する時にポートがめちゃくちゃに配置されて困る

ブロックの付属要素としてインターフェースブロックがポートとして配置されています。 このブロックを内部ブロック図に配置した時にポートの配置が出鱈目で困ります。 手作業でポートを再配置するのではなく、配置する際にポートが理想的な状態に配置される方法を御紹介します。


015: モデルベース設計への段階的移行

様々な組織での開発経験をもとに、成功しやすいモデルベース設計への移行方法について御提案するビデオです。 モデルベース設計はあくまで手段であり、真の目的は顧客の要求を満たすシステムを、効率的かつ効果的に、そして確実に実現することにあります。 段階的移行を用いる事で、組織的な負荷を最小限に抑えながら、改善効果を実プロジェクトで確認できます。


016: スクリプトレットで手軽に自動化

スクリプトレットは、ダイアグラム内に「スクリプトレット」要素を配置する事で使用できます。 スクリプトレットはJavaScriptで記述でき、Enterprise Architectのオブジェクトを直接操作できるものです。 これまで手作業で行なっていたことを自動化する際に便利な機能です。


017: 画像を使ってダイアグラムの表現を豊かにしよう!

システムを表現する時に、ドメイン固有の内容をよく表現した画像をダイアグラムに配置する事で、劇的に理解しやすくなることがあります。 この動画では、画像をダイアグラムに配置する基本的な方法と実際のメリットの例を解説します。


018: SysMLのポートを整列する

もしかすると何かの設定があるのかもしれませんが、グリッド設定をしても、SysMLのポートがグリッドにのりません。 今回の動画では、SysMLのポートをスクリプトレットを使用して整列させる例を見てみましょう。

スクリプトレット
  • 御自身の責任の下で自由にお使い下さい。
  • 本スクリプトは実行後にダイアグラムを自動保存します。
  • お使いになる前に振る舞いをテスト用のダイアグラムで確認する事を強く推奨します。
  !INC Local Scripts.EAConstants-JScript

  function AlignPortTopToGrid(gridSize) {
      Repository.EnsureOutputVisible("スクリプト");
      Repository.ClearOutput("スクリプト");

      var diagram = Repository.GetCurrentDiagram();
      if (diagram == null) {
          Session.Output("No diagram is currently open.");
          return;
      }

      Session.Output("=================================================================================");
      var diagramObjects = diagram.DiagramObjects;

      for (var i = 0; i < diagramObjects.Count; i++) {
          var diagramObject = diagramObjects.GetAt(i);
          var element = Repository.GetElementByID(diagramObject.ElementID);

          if (element.Type == "Port") {
              Session.Output("Object: " + (i + 1) + "/" + diagramObjects.Count + ": Port (" + element.Name + ")");
              var top = diagramObject.top;
              var newTop = Math.round(top / gridSize) * gridSize;
              if (top != newTop) {
                  diagramObject.top = newTop;
                  diagramObject.Update();
              }
          } else {
              Session.Output("Object: " + (i + 1) + "/" + diagramObjects.Count);
          }
      }

      Repository.SaveDiagram(diagram.DiagramID);
      Session.Output("=================================================================================");
      Session.Output("\n\n\n");
  }

  AlignPortTopToGrid(20);

上記スクリプトは、20ピクセルごとのポート配置になっています。 ユーザーのオプションにあるグリッド幅の設定値を、AlignPortTopToGrid()関数に与えた値と合わせる事で、ダイアグラム要素の位置調整との整合性が取れます。 以下の画像を参考にグリッド幅の設定を確認して下さい。

Grid Settings


019: 効率的なモデリングツールの活用

モデリングツールを採用した時、最初に簡単なモデルの記述から始められると思います。 ドキュメントベースのエンジニアリングを行なっていた企業の場合、モデリングツールによる設計を始めた初段では、単に仕事が増えただけと感じる事も少なくないようです。

この動画では、ドキュメントベースのエンジニアリングを行なっている方のヒントとなるように、モデリングツールでのモデリングからドキュメント生成までの流れを御説明します。 Enterprise Architectのドキュメント生成機能を用いる事で、モデルを一次成果物、ドキュメントをモデルからの二次成果物として扱う事ができます。

常にモデルを設計活動の主軸にすることで敏速で矛盾の無い設計活動を推進できる他、成果物としてドキュメントを求められる場面でもドキュメント生成機能によって適合できます。


020: プロジェクト管理情報も統合しよう (ガントチャート編)

プロジェクトに関連する情報があちこちのツールに分散すると、結果的に情報の整合性が失われてしまいます。 プロジェクトの進行を管理し、次の仕事の形を決める場合、計画内容が設計内容と整合性が無ければ意味の無いものになってしまいます。

Enterprise Architectのガントチャート機能は、モデル要素に対して担当者を割り当てるという効果的なアプローチにより、設計とスケジュールを効率的に管理できます。 動画ではUMLのクラス図を使用していますが、パッケージ単位になったり、SysMLのブロックに対して担当チームを割り当てるといった応用が考えられます。


021: プロジェクト管理情報も統合しよう (ドキュメント編)

プロジェクトに対して外部からドキュメントが入力される事は少なくありません。 例えば、ドキュメントから要件を定義する時、デバイスデータシートからクラスを設計する時、様々な場面で外部ドキュメントを情報源とする場合があります。

Enterprise Architectのプロジェクトファイルの傍らにそれらドキュメントを配置する事もできますが、この動画ではプロジェクトファイルに統合する事で得られるメリットについて解説します。


022: ツールを持っていない人にプロジェクトを見せたい

Enterprise Architectを使って設計する事の利点のひとつは、単一の論理に対して情報が一元管理されており、横断的に論理階層を渡り歩ける点です。 ツールを持っていない人にプロジェクトを見せたい場合、この横断的な視点が失われがちですが、Enterprise Architectの各種出力機能を用いる事で、同じような体験をして頂くことが可能です。

この動画では、ツールを持っていない人にプロジェクトを見せたい時の3つの選択肢に触れます。


023: 要求の色付けと状態の定義

Enterprise Architectを使って要求を整理している時、少しの工夫を加える事でプロジェクトの状態を俯瞰して見る事が可能になります。 この動画では、要求の色付けと状態の定義について述べます。

導入の助言

以下は、よく寄せられる質問とそれに対する、経験に基づいたアドバイスです。 ぜひ、ご参考になさってください。


Q. 無償ツールを探しています。

A. まずは無償ツールから始めるのも一つの方法です。ただし、長期的な投資対効果も検討してみてください。

予算の制約がある中で無償ツールを探されるお気持ちは、よく理解できます。 無償ツールにも優れたものは多く存在します。ただし、長期的に使い続ける中で、いくつかの課題に直面することがあります:

  • 機能に限界を感じたとき、「もっと良い無償ツール」を探し始める
  • ツール選定に時間を使い、肝心の設計作業が進まなくなる
  • 企業戦略の変更により、突然のサービス終了や大幅な仕様変更がある

これは無償ツールが悪いという意味ではありません。 ただ、ツールを探し続けること自体が作業になってしまい、本来の目的である「設計スキルの向上」や「知識の体系化」が後回しになるリスクがあります。

Q1

有料ツールの投資対効果

Enterprise Architectの場合、ライセンス費用は比較的手頃で、20年以上の安定した開発・サポート実績があります。 重要なのは、「ツールへの投資」ではなく「自分の知識体系への投資」と捉えることです。 同じツールを使い続けることで、ツールの使い方に習熟し、設計そのものに集中できるようになります。 個人での購入が難しい場合は、評価版で実際の業務に適用し、具体的な効果を記録した上で上司に相談する方法もあります。


Q. Word, Excel, PowerPoint, Visio, draw.ioとの違いを教えて下さい。

A. 簡単に言えば、「図を描くツール」と「設計情報を管理するツール」の違いです。

設計作業で以下のような経験はないでしょうか?

  • 仕様変更があり、複数の図を修正したが、1つ修正し忘れてレビューで指摘された
  • 「この要素、他のどこで使われているんだっけ?」と探し回った
  • 過去のプロジェクトで作った設計を再利用しようとしたが、ファイルを探すのに時間がかかった
2つのアプローチの違い
観点 汎用ドキュメントツール モデリングツール
データの扱い 図形として描画 要素と関係性として保存
同じ情報の再利用 コピー&ペースト 参照(元データを共有)
変更への対応 すべての図を個別修正 元データの修正が全体に反映

違いの本質は、「絵を描く」か「構造化されたデータとして管理する」かです。

Visioやdraw.ioでは、図ごとに独立した「絵」として保存され、変更時は関連するすべての図を手作業で修正する必要があります。 一方、Enterprise Architectでは、設計要素(クラス、コンポーネント、機能など)がデータベースに保存され、要素を1箇所修正すれば、それを使っているすべての図に反映されます。

Q2

モデリングツールが力を発揮する場面
  • 変更の波及管理:設計要素を変更したとき、「どの図に影響があるか」が自動的に分かる
  • 影響範囲の把握:「この要素を削除したら、何に影響するか?」をツールが追跡
  • 設計資産の蓄積:過去の設計を「データ」として保存でき、検索や再利用が容易
  • 複数視点での表現:同じ要素を、構造図でも振る舞い図でも使え、一貫性が保たれる
使い分けの考え方

汎用ツールは、アイデア段階のラフスケッチや短期プロジェクトに適しています。 モデリングツールは、長期間保守する製品、仕様変更が頻繁な開発、設計知識を組織資産として残したい場合に適しています。 「また同じような設計を一から描いている」「設計変更のたびに関連図を探し回っている」といった経験があれば、検討する価値があります。


Q. ちょっと触ってみましたが使いづらいです。

A. 最初の使いづらさには理由があります。小さく始めることをお勧めします。

その感覚は正常です。多くの方が同じ印象を持ちます。

なぜ最初は使いづらく感じるのか

VisioやPowerPointは「描きたい図形を置いて、線でつなぐ」という直感的な操作ですが、Enterprise Architectは「見た目」より先に「構造」を考える必要があるため、最初は回り道に感じられます。 これは、Excelに慣れた人がデータベースを触ったときの違和感に似ています。 「セルに直接入力すればいいのに、なぜテーブル定義が必要なの?」という感覚です。 しかし、データが増えてくると、構造化されていることの価値が分かってきます。

小さく始める方法

いきなり完璧を目指す必要はありません:

  1. 既存コードの理解に使う:既存のソースコードをインポートしてクラス図を自動生成。「描く」のではなく「見る」だけなら、すぐに効果を実感できます
  2. シンプルな構造図から:最初は3〜5個の要素だけの小さな図から始める
  3. テンプレートを活用:白紙から始めず、既存のモデルを参考にする

Q3

どれくらいで慣れるのか

正直に言えば、完全に使いこなすには時間がかかります。 ただし、段階的に価値を感じられます:

  • 数日〜数週間:基本的な図の作成や既存コードの可視化
  • 数ヶ月:要素の再利用や、複数の図での情報共有のメリット実感
  • 1年以上:設計資産の蓄積や、組織的な活用方法が見えてくる

重要なのは、最初から100%使いこなそうとしないことです。 自分の業務で役立つ機能から、少しずつ取り入れていけば十分です。 無理に使い続ける必要はありませんが、設計の変更管理やチームでの情報共有に課題を感じたとき、改めて試してみる価値はあります。


Q. ツールを使わずとも十分に設計ができています。

A. 今の方法で成果が出ているなら、それは素晴らしいことです。ただし、いくつかの質問を投げかけてみます。

既に設計が十分できている組織にとって、新しいツールを導入することは、むしろリスクに感じられるかもしれません。 ただし、以下のような状況はないでしょうか?

設計の属人化
  • 特定のメンバーしか全体設計を把握していない
  • そのメンバーが不在になると、設計判断ができなくなる
変更への対応
  • 設計変更のたびに、影響範囲の調査に時間がかかる
  • 「たぶん大丈夫」という判断で実装し、後で問題が発覚する
知識の蓄積
  • 似たような設計を毎回ゼロから考え直している
  • ベテランの頭の中にある設計パターンが、組織資産になっていない

これらがほとんど該当しないのであれば、確かに今のままで問題ないかもしれません。

「十分できている」と「さらに効率化できる」は両立する

モデリングツールは、設計ができない人のためのツールではありません。 むしろ、既に設計ができる人が、さらに高い次元の課題に取り組むためのツールです。 手作業で管理していた整合性チェックが自動化され、本質的な検討に集中できるようになります。

Q4

検討する価値がある状況
  • これまでより大規模な開発に取り組む予定がある
  • 製品を5年、10年と保守していく必要がある
  • 個人の能力に依存せず、組織としての設計力を高めたい
「今は不要」という判断も正しい

プロジェクト規模が小さく、メンバーが固定されており、短期間で終わるプロジェクトが中心なら、今のやり方を続ける方が合理的です。 ただし、状況が変わったとき(規模拡大、キーパーソンの退職、顧客からのドキュメント要求など)に、改めて検討する選択肢として覚えておいていただければと思います。


Q. 導入に際して挫折しないお勧めの方法や考え方はありませんか?

A. 小さく始めて、挫折を織り込むことが重要です。具体的な進め方を示します。

まず完璧を目指さないこと

モデリングツールの導入で最も多い失敗は、「最初から組織全体で完璧に使いこなそうとすること」です。 成功する導入の特徴は、小さく始め、具体的な目標に絞り、挫折を前提にすることです。

最初の一歩:具体的な始め方
ステップ1:解決したい課題を1〜2個に絞る

「モデリングツールを使う」ことを目標にせず、具体的な困りごとの解決を目標にしてください。 良い目標:「既存の〇〇システムのクラス構造を可視化して、メンバー全員が理解できるようにする」 避けるべき目標:「Enterprise Architectを使いこなす」(手段が目的化している)

ステップ2:小さい範囲から始める

個人で始める場合:

  1. 既存コードをインポートして、クラス図を自動生成(1日)
  2. 生成された図を眺めて、システムの構造を理解(数日)
  3. 次の設計タスクで、簡単な図を1つ描く(1週間)

チームで始める場合:

  1. まず自分が使ってみて、価値を実感(1〜2週間)
  2. 成果物を作って、チームに共有(1ヶ月)
  3. 興味を持ったメンバー1〜2人と一緒に使う(2〜3ヶ月)
ステップ3:効果を記録する

「この作業が〇時間短縮できた」「設計レビューで議論がスムーズになった」など、小さな成功体験を記録しておくと、活動を続けやすくなります。

Q5

挫折は正常です:3-3-3-3の法則

長期的な視点での導入パターンを知っておくことで、挫折しても「想定内だ」と思えるはずです。

  • [3回挫折] 使わなくなる期間が3回くらいあります。これは正常な導入プロセスです。完全に諦めず、数ヶ月後に「もう一度試してみるか」と思える心の余裕を持ってください
  • [3年経過] 定着まで3年程度かかります。これは「考え方の変革」に必要な時間です
  • [3回適用] 実際の業務で3つ以上のプロジェクトに適用してみてください。プロジェクトごとに違う効果が見えてきます
  • [3段階導入] うまくいく組織のパターンは「1. 個人が確信→2. 周囲へ波及→3. 組織的活用」です
導入後に得られるもの

これらの障壁を乗り越えた組織では、設計の考え方が体系的になり、設計知識がチーム内で共有され、設計資産が組織の知的財産として蓄積されます。 導入は決して平坦な道のりではありませんが、小さな目標から始め、挫折を織り込み、長期視点を持つことで成功確率が高まります。 そして最も重要なのは、「なぜこのツールを使うのか」という目的を忘れないことです。

リンク


ツール提供元

Enterprise Architectは、日本国内においてスパークスシステムズ ジャパン株式会社が開発と販売を手掛けておられます。 日本市場に適合する数多くの独自機能拡張が施された国内用バージョンは、その魅力を理解すると手放せないツールのひとつです。

Enterprise Architect ウェブサイト

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